光学設計とその周辺、そしてたまに全く関係ないやつ

学んだことを書き留めていきたいと思いますが、ありふれたことを書いても人類の進歩に貢献しないので、専門的な事柄をメインにしたいと思います。なお私の専門とは光学設計とか画像処理とかです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

pythonからC++で作ったdllを読み出すときに戻り値がおかしい

きっかけは以下の内容を参考に自分でもちょっと似たようなことをやろうとしたときである qiita.com具体的には以下のようなdoubleを返す関数GetDataを定義したのだが、その戻り値をpythonで表示させるとなぜか変な値になる、、、Cpp_to_python.cpp double Get…

デコンボリューション、ボケ復元、WienerフィルターそしてRichardson-Lucy法2

さて2回目ではもう1つの方法であるRichardson-Lucy法を紹介しよう. 1回目の記事の通りデコンボリューションとはどうにかしてPSFの逆関数PSF-1を求めて,以下の数式のとおり元の画像Iを得るということだった. この時登場するのは入力画像I(x), 出力画像(測定…

デコンボリューション、ボケ復元、WienerフィルターそしてRichardson-Lucy法1

2回分の記事を使って光学とは少し離れてちょっと画像処理よりのことを取り上げてみます. 俗にいうデコンボリューションとかボケ復元とか言われるトピックです. 特に2回目の記事はRichardson-Lucy法(RL法)をメインに取り上げます. よくあるRL法の説明ではやや…

測光量の計算4 (輝度から光度への換算)

以前の記事では測光量の計算は基本的に輝度・光度→光束・照度への換算が主と言いましたが、今回はその意味でちょっとマイナーなトピックである輝度から光度への変換を取り上げます。 早速ですが、輝度の定義式に光度の定義式I=dΦ/dωが含まれていますので、あ…

測光量の計算3 (輝度から光束照度への換算)

今回からは輝度を取り上げ、まず一般的な考え方を輝度から光束、そして照度への変換方法一度に扱います。以下は輝度の定義式を式変形したものです。 よって、ある輝度を持つ微小面dSがθ方向に微小立体角dωだけ放射する光束Φは と一般的に表されます。さて立…

測光量の計算2 (光度から照度への換算)

今回は強度→照度の換算を取り上げます。 考えている状況を図にしたのが下図です。点光源による照度1 強度Iをもち位置Oに設置された点光源によるr離れたO'での照度を求めます。O'での微小面をdSとすると、そこに入射する光束dΦはdΦ=EdSとなり、また強度につい…

測光量の計算1(光度から光束への変換)

前回までは測光量の定義の説明をしてきました。実際に特に照明系の光学設計者が行う業務というのは例えばある輝度もしくは光度をもつLEDに対し、レンズを配置することでどれだけ均一に照射面を照らすことができるか、または全光量を伝えることができるか、の…

測光量の定義2

前回では簡単に各測光量の定義をまとめました。今後はより内容を掘り下げていきたいと思いますが、今回まずは見かけの面積、照度のcos特性、そしてランバートの余弦則を取り上げます。照度のcos特性とは、受光面が光束に対してθ傾いていた時、照度の値は垂直…

画像処理エンジニア検定(2/2)

画像処理エンジニア検定第2回目の記事は検定をうけるにあたってのテクニックやtipsのようなものをまとめてみたいと思います. 出題範囲 教科書(「ディジタル画像処理」)の目次は以下の通り. イントロダクション ディジタル画像の撮影 画像の性質と色空間 画…

画像処理エンジニア検定(1/2)

初めに 画像処理エンジニア検定という試験があります. CG-ARTS協会という法人が運営している名前の通り画像処理の知識を評価する検定で知る限りこの分野の唯一の検定試験です. https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/index.html 画像処理に携…

測光量の定義

改めて測光学についての初歩的な内容をしばらくまとめていきたいと思います。 1:始めに 著者の専攻は物理でしたが、会社に入社して最初に光学設計を学んだ際は測光学というものがどうにもしっくりこず、電磁気学的な光学とは何が違うのか、とよく悩んでい…