光学設計とその周辺、そしてたまに全く関係ないやつ

学んだことを書き留めていきたいと思いますが、ありふれたことを書いても人類の進歩に貢献しないので、専門的な事柄をメインにしたいと思います。なお私の専門とは光学設計とか画像処理とかです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

今話題のChatGPTは光学設計ができるか?

ChatGPTというのが最近はやっているようです. 要はAIのチャットでこちらの質問に対して答えてくれるWebサービスです. 以下の記事で解説がありますが, すごいと感じたのは簡単なプログラミングのコードも実装してくれるらしいのです. チャットできるAI、ChatG…

5次収差の応用1 fθレンズの設計

5次収差の応用として俗にいうレンズの設計を考えてみたいと思います. 正射影である光学系から歪曲収差をあえて発生するような設計をしてレンズを設計しますが,この時具体的にどういった3次と5次の歪曲収差をバランスよく与えればよいかを考えます まずとの変…

光学設計の役に立つリンク集

前回光学設計に関する参考書を紹介しました. 今回はインターネットの情報源を紹介します. https://blog.hatena.ne.jp/Eikonal/eikonal.hatenablog.jp/edit?entry=4207112889940984521eikonal.hatenablog.jp 家電量販店やメーカー直営サロンが開催しているカ…

光学設計の参考書

突然ですが光学設計に関する本を自分なりに紹介します.しかし本といっても最初に買ったときの評価が後になって変わるってことよくあります. つまり買った当初はそこまで読まなくても後になりいろいろ学ぶにつれその本の真価というのをようやく理解するという…

単群繰り出し・部分フォーカシング2 (後群繰り出し インナーフォーカス)

前回に引き続き今回は後群繰り出しでフォーカシングする場合を扱います. 後群繰り出しという言葉はあまりなじみがないと思いますが, 要はインナーフォーカスです.eikonal.hatenablog.jp前回の記事で扱ったように以下の正-正の組みあわせの光学系で後ろのレン…

単群繰り出し・部分フォーカシング1 (前群繰り出し)

昨今の一眼カメラ用レンズは単焦点レンズでも全体繰り出しでフォーカシングしている光学系はあまりないのではないでしょうか. その代わり俗にいうインナーフォーカスやフローティングが使われています. これらの解説をしている文書が意外となかったので今回…

分光器の光学設計のあれこれ

これから何回か分光器の光学設計, 特に回折格子を用いた光学設計について記事にしていく予定です. まずこの第1回目ではイントロとして, 光学設計というより分光器の概論を自分なりにまとめてみます. といっても一般論については世の中情報が十分にあるため,…

三角関数は高校で必要か?

とある議員の三角関数は高校教育に必要ないという発言が議論を呼んでいるようですが,三角関数を知らないと高校力学の力の分解なんかも学べないので,となると物理も教える必要ないということになるのでさすがにそれはいろいろと支障があるのでは. https://new…

スルーフォーカスMTFの見方

MTFは光学設計において最も重要な指標ということはわざわざいう必要はありませんが, そのMTF図は3つの表し方があります. 1つがよくカメラレンズのカタログにあるような像高別にある空間周波数でMTFを示した図です. この図から画角vsMTFが一度にわかります. S…

光学設計者はDXに対応できるかどうか

最近はDXのためのリスキングが盛んなようです. 以下のリンク先の記事も見出しはヤフーについてですが, 途中でキヤノンのレンズの設計者がソフトウェアエンジニアにリスキングしていると記述されていたりと光学設計者も無関心ではいられません.ヤフーが全社80…