光学設計とその周辺、そしてたまに全く関係ないやつ

学んだことを書き留めていきたいと思いますが、ありふれたことを書いても人類の進歩に貢献しないので、専門的な事柄をメインにしたいと思います。なお私の専門とは光学設計とか画像処理とかです。

光学-光学一般

測光量の計算例3 (積分球照度, ファイバー結合効率)

今回は別の測光学の応用としていわゆる積分球の照度分布と光源からファイバーへの結合効率を取り上げてみます. 積分球 積分球とは言わずもがな以下のページにあるように内部が高い反射性の材料で覆われた球状の物にいくつかの小さな開口が設けられているもの…

硝材の屈折率, アッベ数の標準公差

社会人になったときは屈折率やアッベ数の標準公差はぐらいとよく聞きました. Zemaxの公差解析エディターでもEdmund OpticsのCommercialグレードはこの値です.ただ最近知ったというわけではないけど, 技術が向上したのか現在は以下のページのように少なくとも…

レンズの体積

レンズの体積を求める機会があったので記事にもまとめます.以下のような平凸レンズを考えましょう. 球がかけた状態を球欠(きゅうけつ, spherical segment)と呼ぶらしい*1. 結論を言うと球欠については以下の公式がある. 曲率半径が登場しないことはやや意外…

5次収差の応用3 球面収差の解析

5次収差の応用として球面収差の解析をします.以下の記事でBuchdahl-Rimmer係数を使って収差係数からスポット分布を得るようなことをしていましたが, 今回はこの係数を使って球面収差の光線追跡の結果と収差係数から得られる結果を比較し, どこまで高次収差係…

5次収差の応用2 ダブルガウスのサジタルコマフレア

前回5次収差の具体的な分布を取り上げました. 今回は応用としてダブルガウスの特徴的な収差を解析したいと思います. eikonal.hatenablog.jp 今回用意したサンプル設計は以下の通りです. 適当に用意しました. レンズ図とスポットダイアグラムは以下の通りにな…

職業としての光学設計者

キャリアとして, 職業として光学設計者ってどんな感じ?について自分なりの考えをまとめました.むしろまとまった文章というよりは百問百答のようなものに近いかも. 割と適当に書きましたのでその点ご注意ください. バックグラウンド 周りを見渡すと大学時代…

光学設計の役に立つリンク集

前回光学設計に関する参考書を紹介しました. 今回はインターネットの情報源を紹介します. https://blog.hatena.ne.jp/Eikonal/eikonal.hatenablog.jp/edit?entry=4207112889940984521eikonal.hatenablog.jp 家電量販店やメーカー直営サロンが開催しているカ…

光学設計の参考書

突然ですが光学設計に関する本を自分なりに紹介します.しかし本といっても最初に買ったときの評価が後になって変わるってことよくあります. つまり買った当初はそこまで読まなくても後になりいろいろ学ぶにつれその本の真価というのをようやく理解するという…

光学CADの代理店がいろいろ変わってる

最近codev含めsynopsis社の製品の日本代理店がサイバネットシステム社からsynopsisの日本支社に変わった. 直販することでよりユーザーに近い立場に立ちたいのだろうとぐらいに思っていたが, サイバネットシステム社が別に扱っているANSYSが子会社化したspeos…

ゴニオメーターの座標系

LEDの配光などを測定する際にゴニオメーターを使う機会がよくあります. ゴニオメーターには配光の角度座標のタイプというものがありタイプABCの3つがあるのですが, ここらへんを詳しく扱っている日本語の文献は見ない気がしますので, 今回はこの配光測定の際…

光学設計の仕事論

大学で産業的な光学を学ぶ機会がなく, IT産業のように情報が多いわけでもない光学設計の仕事はなかなか一般的な事情を知る機会は少ない. 実際本ブログの著者も提示される設計を日々こなし, 気づけばそこそこの年数が経っているのだが, 自分の設計の進め方が…