光学設計で一部の公差解析をすると以下の図が結果として出力されます. 光学設計をやっていれば見慣れた図ですが, 光学設計に詳しくない人からはこの図って何?とかどう見たらよいか?と質問を受けるため今回ざっくりと記事にします.

まずこの図はモンテカルロ公差解析をした際の結果をまとめた図になります. モンテカルロ公差解析とは設計した光学系のパラメーターに製造時などの各種誤差をランダムに与えた際の解析した大量の性能の結果をまとめ, 実製造時の性能の分布や歩留まりを確認する手法です.
その結果を1つの図にまとめたのがこの図になります. 横軸が着目している性能指標の分布, 縦軸が範囲が0-100(%)となっていますが, ここが累積の割合を示す, つまり累積分布関数になります.
例えばこの図では性能指標では横軸がRMS波面収差エラー(小さいほど良い性能)となっていますが, 0.4923のところで縦軸が80%程となっています. これは製造歩留まりをシミュレーションした結果としてRMSエラーが0.4923より小さくできる割合または確率が80%です, と示しています. または良品率の目標として99%とした場合, 図では99%に相当するRMSエラーが0.5743とすると, 実際製造した際にRMSエラー0.5743は少なくとも満たせる, ということを示してます. 当然この右肩上がりのグラフがなるべく左側に寄るほど良い設計です.
当然より厳しい性能としてRMSエラーを小さくしたい場合は良品率が0%に近づき, 逆に良品率を100%にしたい場合はその時は当然満たせるRMSエラーが大きくなってしまいます. 今回はRMSエラーでしたが, MTFのように値が大きいほど良い性能(難しい性能)の場合は横軸の増減の向きが逆になります.
内容は以上. 教科書参考書で公差解析が説明されることもないため, この記事が何かしらの参考になれば幸いです.