光学設計とその周辺、そしてたまに全く関係ないやつ

学んだことを書き留めていきたいと思いますが、ありふれたことを書いても人類の進歩に貢献しないので、専門的な事柄をメインにしたいと思います。なお私の専門とは光学設計とか画像処理とかです。

分光器光学系の収差論1(1/3) 平面回折格子

これまでいくつかの記事で特に回折格子を用いた分光器の説明をしてきました. といっても波面収差を考慮しない理想的な光学系の話がメインです.

今回はより詳細に光学設計者らしく回折格子分光光学系の収差設計について考えていきたいと思います.
分光器に限らず今時収差論を用いて考える機会はほとんどないと思いますが, エッセンスについてはそこまで複雑な考察に入ることなく得ることができます. また分光器光学系の1つの特徴として特に反射を使う場合, カメラレンズのような製造誤差レベルの偏心ではなく大きく偏心した光学系というところがあります. よって収差の扱いというのも対称性を前提としたザイデル収差や松居 吉哉氏がまとめたいわゆる偏心収差論とも違い, 写真レンズの光学設計とはまた別のそして同時期に独自の発展を遂げて理論であるため, 学んでいてなかなか感慨深いところがあります.

凹面回折格子の光路関数

さて凹面の回折格子の結像条件を考えてみます. なぜ平面ではなく凹面?となるかもしれませんが, 実は歴史的には平面含め回折格子光学系の設計理論が本格的に発展したきっかけが凹面回折格子の研究にあるようです.
以下の図のような座標系(X,Y,Z)となっている状況を考えていきます. 左図が立体図, 右図がXY平面に落としたもの, また回折格子の溝はZ方向に延びているとしています.

曲率半径Rをもつ凹面回折格子に点A(x,y,z)から光が出射し点P(u,w,l)で回折反射された光が点B(x',y',z')に達するという状況を表しています. wは回折格子の溝の並びを表すため離散的な値をとります. 原点Oはちょうど回折格子がYZ平面に接している様子です. 点AとBをXY面に射影した点をA'B'とし, その点がOと結ぶ長さと角度を r, r',  \alpha, \betaとしています(右図).

このAからBに至る光路関数Fを求め, フェルマーの原理を用いこの停留値をもつ条件から, 結像条件が得られる. つまりこの点Pの位置が微小変化しても同じ光路長となる条件です.
さてこの光路関数Fを単純にAP+PBと求めたくなるかもしれませんが, 単なる鏡面反射ならそれで問題ないですが, 回折の場合回折次数の分異なる光路差を持つ光が散乱されます. 基準となっている位置Pから隣の刻線の位置からの散乱光の内の回折による光路長mλも光路長に含めます. 原点Oからn番目の溝の位置wでは n=w/\sigmaと表されることから*1, 光路関数は以下の通り表します.


 \displaystyle   F=AP+PB+\frac{wm\lambda}{\sigma}  \tag{1-1} \label{1-1}

計算を進めて図よりAP,PBは以下の通り表します.

 \displaystyle   AP=(x-u)^2+(y-w)^2+(z-l)^2, PB=(x'-u)^2+(y'-w)^2+(z'-l)^2  \tag{1-2} \label{1-2}

ここから先の道筋をこの段階で説明するとフェルマーの原理を使用し,  \partial F/\partial w= \partial F/\partial l=0の条件が結像条件を表します. 具体的には回折格子上の座標(u,w,l)は任意となっていますので, AとBのxyz,xyz'の値 角度 \alpha, \beta回折格子パラメーターR間の関係を求めたいということです.

さて x=r\cos{\alpha}, y=r\sin{\alpha}, x'=r'\cos{\beta}, y'=r'\sin{\beta} となり, 球面の式より回折格子面上のuはw,lを使ってまた u=R\pm \sqrt{R^2-(w^2+l^2)} となりますが, uの値が小さいマイナス側が必要になりますので, 級数展開すると


 \displaystyle   u  =\frac{w^2+l^2}{2R}+\frac{(w^2+l^2)^2}{8R^3} +\frac{(w^2+l^2)^3}{16R^5}+.....

となります.
これらの結果を使いwとlの多項式にまとめながら光路関数を改めて表すと,

 \displaystyle   F=AP+PB+\frac{wm\lambda}{\sigma}


 \displaystyle  =r\left(1+\frac{z^2}{r^2}  \right)^{1/2} +r'\left(1+\frac{z'^2}{r'^2}  \right)^{1/2} +w \left[  \frac{m\lambda}{\sigma}  - \left(1+\frac{z^2}{r^2}  \right)^{-1/2} \sin{\alpha}  - \left(1+\frac{z'^2}{r'^2}  \right)^{-1/2} \sin{\beta}  \right]   -l \left[  \frac{z}{r} \left(1+\frac{z^2}{r^2}  \right)^{-1/2}   + \frac{z'}{r'} \left(1+\frac{z'^2}{r'^2}  \right)^{-1/2}   \right]


 \displaystyle   +\frac{1}{2}w^2 \left[   \left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r}- \frac{\cos{\alpha}}{R} \right)+ \left( \frac{\cos{\beta}^2}{r'}- \frac{\cos{\beta}}{R} \right)  \right] +\frac{1}{2}l^2     \left[     \frac{1}{r}     - \frac{\cos{\alpha}}{R}  + \frac{1}{r'}     - \frac{\cos{\beta}}{R}  \right]  -wl  \left[     \frac{z\sin{\alpha}}{r^2}    +\frac{z'\sin{\beta}}{r'^2}   \right]


 \displaystyle   +\frac{1}{2}w^3 \left[ \frac{\sin{\alpha}}{r}   \left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r}- \frac{\cos{\alpha}}{R} \right)+ \frac{\sin{\beta}}{r'}\left( \frac{\cos{\beta}^2}{r'}- \frac{\cos{\beta}}{R} \right)  \right]+(他高次項) \tag{1-3} \label{1-3}

となります.
対称光学系の収差論と比較するとwとlがいわば瞳座標に相当し, また通常はy,y'がz,z'より値がずっと大きいことを考えるとwがメリジオナル方向, lがサジタル方向とも考えられます.
そのような見方をすると,瞳座標の依存性から式(1-3)の内 w^4, l^4, w^2 l^2の項が3次の球面収差,  w^3 w l^2が3次のコマ収差,  w^2,  l^2が3次の非点収差(メリジオナル方向, サジタル方向)と見ることができます.

回折格子の結像条件

ここから \partial F/\partial w= \partial F/\partial l=0となる条件を見てみたいと思います. 式(1-3)からまず最初にwの1次項が0になるとき以下の式が得られます.


 \displaystyle    \frac{m\lambda}{\sigma}  - \left(1+\frac{z^2}{r^2}  \right)^{-1/2} \sin{\alpha} - \left(1+\frac{z'^2}{r'^2}  \right)^{-1/2} \sin{\beta} =0  \tag{2-1} \label{2-1}

ここでz,z'=0とすると,

 \displaystyle    \frac{m\lambda}{\sigma}  - \sin{\alpha} -  \sin{\beta} =0 \to  \sin{\alpha} +  \sin{\beta} =\frac{m\lambda}{\sigma}   \tag{2-2} \label{2-2}

となり, 回折の式そのものが得られます.

このように停留値の条件から各収差の補正をするための設計が行えます. ここで分光光学系の特徴の一つとして, 非分散方向はボケても構いませんので分散方向(y,w)の結像が非分散方向(z,l)の結像より重要です*2. よってサジタル方向の非点収差による広がり( l^2の項)が割と許容できる一方, メリジオナル方向( w^2の項)が重要です.この項が0となる条件を求めると,


 \displaystyle      \left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r}- \frac{\cos{\alpha}}{R} \right)+ \left( \frac{\cos{\beta}^2}{r'}- \frac{\cos{\beta}}{R} \right)   =0  \tag{2-3} \label{2-3}

が得られます.

式(2-3)を満たす条件として以下の3式が例としてあります. 式(2-6)は本質的には(2-5)と同じです.


 \displaystyle    r=R\cos{\alpha}, r'=R\cos{\beta}  \tag{2-4} \label{2-4}


 \displaystyle    r=\infty, r'=\frac{R\cos{\beta}^2}{\cos{\alpha}+\cos{\beta} } \tag{2-5} \label{2-5}


 \displaystyle    r=\frac{R\cos{\alpha}^2}{\cos{\alpha}+\cos{\beta} },r'=\infty \tag{2-6} \label{2-6}

同じような考え方からwの次数が高い項が優先されるため l^4より w^4のほうが重要です. また分光器に限らず計測を行うような光学系全般に言えることですが, 球面収差のようにボケてもそれが対称的な方向にボケる場合は多少許容できることもあります. 一方コマ収差のように非対称的な方向にボケるような収差の場合, PSFが片方に歪みこれはこれでまた別の問題です*3. こういったことが重要な場合は特にメリジオナル方向のコマ収差の補正が最も優先されることがあります.

平面回折格子の結像条件

さて凹面回折格子の議論はひとまず中断して,  R \to \infty としたとき, つまり平面回折格子の場合をここで考えてみます.
式(2-3)より  R \to \infty とすると,


 \displaystyle      \frac{\cos{\alpha}^2}{r}+ \frac{\cos{\beta}^2}{r'}   =0  \tag{3-1} \label{3-1}

が得られます. これを満たすr,r'の自明な条件が r,r' \to \inftyです. というか R,r,r' \to \inftyの場合, 式(1-3)の最初の3つの項以外は高次項含めすべて0となります. 最初の2つの項は条件 \partial F/\partial w= \partial F/\partial l=0に寄与しませんので, 3つ目の項の回折の式のみ満たせば幾何光学的には完全な結像を得られるということになります*4. もっとも改めて考えれば当たり前で平面回折格子に平行な光線束が入射しても平行なまま別の方向に出射するというこれまで経験してきたことを言っているわけです. もしくは例えば平板ガラスに平行光が入射しても平行のまま出射するよね, というレベルの話. いずれにせよこの考察によりチェルニタナー光学系のように平面回折格子にはなぜ平行光束を入射するのが良いのか, 理論的根拠が得られました.

高次の項を気にせず, 低次の項だけ満たせば良いのなら他にも解はあります. 高次の項は無視して式(1-3)について z,z'=0 とすると以下の式となりますが,


 \displaystyle  F= r+r'+ w \left(  \frac{m\lambda}{\sigma}  -  \sin{\alpha}  - \sin{\beta}   \right)+\frac{1}{2} w^2 \left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r}+  \frac{\cos{\beta}^2}{r'} \right) +\frac{1}{2} l^2   \left(  \frac{1}{r}  + \frac{1}{r'}         \right)    \tag{3-2} \label{3-2}

 \alpha=\pm \beta, r=-r' とすれば w^2 l^2の項は0とできます. これはつまり以下の図のように虚像を表している状況で, 平面回折格子に収束光を照射している状況となります.

チェルニタナー分光器の光学設計

これまで回折による散乱光について光路関数を考えることで結像条件を考えてきました. ここで式(1-3)内でm=0とするとそれは回折/散乱ではなく単なる反射の結像条件を与えてくれます. よって分光器の枠を超えてより汎用的な偏心した反射光学系の結像を考える際にも今回の議論は利用できるということです(この時Rはミラーの曲率半径). 早速一例を示したいと思いますが, せっかく分光器を考えているので収差を補正するチェルニタナー分光器のコリメーターミラーとフォーカシングミラーの曲率半径及びその向き(角度)を以下の図に沿って考えてみます.

式(1-3)においてm=0, そして簡易的に2次元内に限定して考えるとこの時z,z'=0, そしてl=0とできます. そして主光線がミラーの原点で反射されるとすると \alpha=-\betaとできます. これらを利用すると式(1-3)は以下の式(4-1)が得られます. 当然このRはミラーの曲率半径です. またw,lもミラー原点座標となります.


 \displaystyle  F=r +r'     +\frac{1}{2}w^2 \left(   \frac{\cos{\alpha}^2}{r} +  \frac{\cos{\alpha}^2}{r'}- \frac{2\cos{\alpha}}{R} \right)  + \frac{1}{2}w^3 \left[ \frac{\sin{\alpha}}{r}   \left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r}- \frac{\cos{\alpha}}{R} \right)- \frac{\sin{\alpha}}{r'}\left( \frac{\cos{\alpha}^2}{r'}- \frac{\cos{\alpha}}{R} \right)  \right] +(高次項)  \tag{4-1} \label{4-1}

まずコリメーターミラー側を考えると上図の記号と揃えて \alpha \to \alpha_mとし, 出射光は r' \to \infty となるので,

 \displaystyle  r_1 =\frac{R}{2}\cos{\alpha_m}

とすれば w^2の項つまりメリジオナル方向の非点収差広がりは消せます. この場合,  w^3の項は

 \displaystyle  w^3 \frac{2\sin{\alpha_m}}{R^2}

となります. フォーカシングミラー側も同じように同じような結論が得られます. 先述した通り w^3はメリジオナル方向のコマ収差となり単に分解能が悪くなるだけでなく分布が非対称となるためよろしくない*5, ということでコリメーター側とフォーカシング側でこの項をうまくキャンセルするような条件を考えたいと思います.
コリメーターミラー側の座標wをコリメート後の平行光束の断面座標Dで表すと,  D=w \cos{\alpha_m}となります. また特に光束の端 (w1,D1,w'/2)での結像をそろえることを考えると,回折格子の照射範囲 w' D_1=w'\cos{\alpha_g}/2となるので

D座標で考えると \partial F/\partial Dのコマ収差項は


 \displaystyle \frac{\partial F}{\partial D}=\frac{3D^2}{2\cos{\alpha_m}^3}=\frac{3w'^2 \cos{\alpha_g}^2 \sin{\alpha_m}}{4R_1^2 \cos{\alpha_m}^3} \tag{4-2} \label{4-2}

となります. この値は平行からのずれを表すため, 角度変位 \delta \alpha_gを表します. また回折格子の式 \sin{\alpha_g}+\sin{\beta_g}=定数より, 回折格子前後の角度変位の関係は \cos{\alpha_g}\alpha_g+\cos{\beta_g}\beta_g=0となるため,

 \displaystyle \beta_g=-\frac{\cos{\alpha_g}}{\cos{\beta_g}}\alpha_g=-\frac{3w'^2 \cos{\alpha_g}^3 \sin{\alpha_m}}{4R_1^2 \cos{\alpha_m}^3\cos{\beta_g}} \tag{4-3} \label{4-3}

と回折後の角度変位 \delta \beta_gが得られます. フォーカシングミラー側も   r_2 =\frac{R_2}{2}\cos{\alpha_m'}の関係がありますので, 最終的な像面での収差は

 \displaystyle \Delta_{\alpha}=\frac{R_2 \cos{\beta}}{2}\delta \beta_g=-\frac{3w'^2 R_2 \cos{\beta_g}\cos{\alpha_g}^3 \sin{\alpha_m}}{8R_1^2 \cos{\alpha_m}^3\cos{\beta_g}} \tag{4-4} \label{4-4}

となります.
これがコリメーターミラー側によるの像面コマ収差を表しています. 全く同じような計算をフォーカシングミラー側でも行え, この際は r \to \inftyとなりますので,その結果 \Delta \beta_g

 \displaystyle \Delta_{\beta}=\frac{3w'^2  \cos{\beta_g} \sin{\alpha_m'}}{8R_2 \cos{\alpha_m'}^2} \tag{4-5} \label{4-5}

です.
式(4-4), (4-5)を合わせて

 \displaystyle \Delta= \Delta_{\alpha}+\Delta_{\beta}=\frac{3w'^2 R_2  \cos{\beta_g} \cos{\alpha_g}^2 }{8 \cos{\alpha_m}^3}   
\left[     \frac{\sin{\alpha_m'}}{R_2^2} \frac{\cos{\beta_g}^2  \cos{\alpha_m}^3}{\cos{\alpha_g}^2  \cos{\alpha_m'}^3}   -\frac{\sin{\alpha_m}}{R_2^2}\frac{\cos{\alpha_g}}{\cos{\beta_g}}     \right]   \tag{4-6} \label{4-6}

が最終的なメリジオナル方向のコマ収差となります. これが0となる条件を求めると[]の中身が0となればよいので,

 \displaystyle \frac{\sin{\alpha_m'}}{\sin{\alpha_m}}=\frac{R_2^2}{R_1^2} \frac{\cos{\alpha_g}^3  \cos{\alpha_m'}^3}{\cos{\beta_g}^3  \cos{\alpha_m}^3}  \tag{4-7} \label{4-7}

を満たすように2つのミラーの曲率なり角度を求めればよいということです. これが3次の収差の範囲でチェルニタナー光学系がメリジオナル方向の非点収差とコマ収差(厳密には光束端だけですが)を0にする解析解です.

面白いのはこの2つのミラーの条件は別に回折格子が無くても成り立つ話ということです. 以下の図の左側は今回の光学系から回折格子を除いた場合ですが, このように非対称的な配置だとコマ収差が互いのミラーで打ち消すことが可能な一方, 右側の対称的な配置だと補正が不可能という他の光学系でも応用できる考察が得られます. 本質的にはカメラレンズなどで絞りに対して対称的な光学系の場合, コマ収差が補正できるということと同じなのかもしれませんが, 全く別の分光器の理論から同じ結論が得られているのは面白いですね.

今回は以上として次回は中断した凹面の場合の続きを取り上げたいと思います.

参考文献
NAMIOKA, T. Theory of the concave grating. I. Josa, 1959, 49.5: 446-460.
鶴田匡夫, 第4・光の鉛筆, アドコムメディア(1997).
MURTY, M. V. R. K. Use of convergent and divergent illumination with plane gratings. JOSA, 1962, 52.7: 768-773.
Shafer, Arthur B., Lawrence R. Megill, and Leann Droppleman. "Optimization of the Czerny–Turner spectrometer." JOSA 54.7 (1964): 879-887.
READER, Joseph. Optimizing Czerny–Turner spectrographs: a comparison between analytic theory and ray tracing. JOSA, 1969, 59.9: 1189-1196.

*1:あくまでwは直交XYZ座標系のYの値ですので, 今回の議論においては溝σが等間隔の凹面回折格子とは凹面が接する平面(YZ面)に射影したときに等間隔, つまり曲面の円周長さでは不等間隔になります. そういう意味で等間隔という言葉を使っています.

*2:いわゆるイメージング分光器では通用しませんので要注意.

*3:例えばマシンビジョンで点物体の位置を画像から得たい場合, 球面収差や非点収差像面湾曲があってもそのボケ画像の重心が元の位置とすることができますが, 非対称なコマ収差があるとこういったことは単純にできません.

*4:一応補足としてあくまで回折格子単体, 回折面で収差が発生するかどうか, という話でその前後の集光ミラーなりレンズが収差を持っていればもちろんトータルとして収差があります.

*5:といってもあまりこういう特性がカタログスペックに掲載されているのは見たことないですが