光学設計とその周辺、そしてたまに全く関係ないやつ

学んだことを書き留めていきたいと思いますが、ありふれたことを書いても人類の進歩に貢献しないので、専門的な事柄をメインにしたいと思います。なお私の専門とは光学設計とか画像処理とかです。

光学設計ソフトはアメリカ産が強い, という話

光学設計ソフトはSynopsisにせよZemaxにせよ, 有名どころはだいたいアメリカの会社です. ドイツの会社も少しありますけど, シェアの面でも基本的にはアメリカの企業の存在感は圧倒的です. 別に光学設計ソフトに限った話ではないですが, やはりアメリカはソフト産業は強いですね.

なぜソフト産業が強いか, 例えばアメリカは人種など多様性があるからだともよく言われてます. ではなぜ多様性があるとソフト産業に有利なのか?もちろん多様性によって生み出されるシナジーというのもあるでしょうが, もっと単純な作用として人種関係なく存在する優秀な人がその優秀さを発揮しやすいのがソフト産業だという側面もあるのではないでしょうか.

もっともパソコンが普及する前の時代は結構日本の光学系の企業が自社開発した解析ソフトを外販していた時代もあったようです. 今はその痕跡は何もありませんが, 自社開発ソフト自体はまだ社内に残っているんではないでしょうか(メンテナンスされているかどうかはさておき).

また中国はアメリカ一辺倒の状況に危機感はもちろん持っているようで, こういったCAE解析ソフトの国産化を進めているようです. 半導体設計ソフトなどは特に喫緊の課題でしょうが, 以下のHuaweiへのインタビュー記事でも光学設計ソフトもアメリカ依存への危機感を持っていると述べています.
ファーウェイ「開発ツール」の国産化を急ぐ背景 半導体の回路設計ソフトなど、すでに78品目 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン